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睡眠

昼寝は何分がいい?午後の眠気との付き合い方

昼寝は何分がいい?午後の眠気との付き合い方
イラスト:サエコさん(冴える習慣ラボ)

昼食を終えてひと息ついたら、テレビの前でうとうと。目が覚めたら1時間たっていて、頭が重い——。そんな午後を過ごしたことのある方は少なくないと思います。昼寝はしないほうがいいのか、するならどれくらいがちょうどいいのか。今回は、国の睡眠ガイドなど公的機関の情報をもとに、昼寝の「長さ」と「時間帯」を整理してみます。

目安は「短く、午後の早い時間に」

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」には、高齢者向けのリーフレット(Good Sleepガイド 高齢者版)が用意されています。そこには、**「昼寝は午後の早い時間で短時間にとどめましょう」**と書かれています。押さえるべき点は、長さと時間帯の2つということになります。

長さについては、厚生労働省のe-ヘルスネットが具体的な数字を挙げています。午後の眠気に対しては15分程度の長さで十分とされ、さらに高齢者では30分程度の昼寝を上手に利用することで、夕方のうたた寝が減り、夜によく眠れるようになることもあると説明されています。

まとめると、目安はこのあたりです。

  • 長さは15〜30分。長くても30分まで
  • 時間帯は午後の早い時間(昼食後から15時ごろまで)

「長くても30分」とだけ覚えておくと、その場で迷わずにすみます。

なぜ「短く」なのか

短い昼寝であれば、眠りが深くなりきる前に起き上がることができます。深く眠り込んでから起こされると、しばらく頭がぼんやりして、かえって午後がつらくなる——これは多くの方が経験されているのではないでしょうか。

昼寝を「夜の睡眠の前借り」と考えると分かりやすいかもしれません。少しだけ借りるなら午後を助けてくれますが、借りすぎると夜に返せなくなります。

長い昼寝が「習慣」になっているときは

睡眠ガイド2023の高齢者に向けた解説では、日中の長時間の昼寝は避け、活動的に過ごすことがすすめられています。その背景として、30分以上の昼寝を習慣としている人は、昼寝の習慣がない人と比べて将来の死亡リスクが1.27倍に増加する、という報告が紹介されています。

数字だけを見ると驚いてしまいますが、これは長い昼寝が習慣になっている状態についての話です。今日たまたま長く眠ってしまった、という一日を心配する必要はありません。

気にかけたいのはむしろ、「毎日1〜2時間眠らないと午後がもたない」という状態が続いていないか、という点です。そうであれば、原因は昼寝そのものではなく、夜の睡眠のほうにあるのかもしれません。日中の強い眠気が続くときは、ご自身で判断せず、かかりつけの医師に相談してみると安心です。

夜の眠りと昼寝は、つながっている

同じガイドでは、高齢世代の推奨事項として**「長い床上時間は健康リスクとなるため、床上時間が8時間以上にならないことを目安に、必要な睡眠時間を確保する」**という内容が示されています。

床上時間とは、眠っていた時間ではなく、寝床にいた時間のことです。高齢者版のリーフレットにも、「眠くなったら寝床に入る、目が覚めたら寝床から離れるように心がけましょう」「寝床に8時間以上とどまらない」と書かれています。

そして、必要な睡眠時間は加齢とともに減っていくとも説明されています。昼寝でたっぷり眠ったうえに、夜も早くから長く寝床にいる。すると寝つけず、夜中にも目が覚める。翌日また眠くなって長い昼寝をする——という具合に、昼と夜はひとつながりになっています。昼寝を短くとどめることは、夜の眠りの土台を守ることでもあります。

年齢とともに眠りが変わっていく仕組みについては、50代から眠りが浅くなるのはなぜ?睡眠の変化との付き合い方でも取り上げています。

昼寝を上手に使うための小さな工夫

短く切り上げるのは、意志の力ではなく段取りの問題です。

  • 横にならず、椅子やソファで:寝床に入ると、どうしても長くなりがちです
  • タイマーをかけてから目を閉じる:20分ほどに設定しておくと安心です
  • 部屋を暗くしすぎない:うっすら明るいほうが、深く眠り込みにくくなります
  • 15時を過ぎたら見送る:夕方の昼寝は、夜の寝つきに響きやすくなります
  • 起きたら光を浴びて、体を動かす:カーテンを開けて洗い物をする、それだけでも切り替えになります
  • 眠れなくても構わない:目を閉じて座っているだけでも、午後の始まりが変わることがあります

眠気の正体が「昼夜のメリハリ」のこともある

睡眠ガイド2023には、**「昼間の眠気や疲労感は、昼夜のメリハリの低下に伴って出現しやすくなります」**という記述があります。あわせて高齢世代には、日中にできるだけ長く太陽の光を浴びること、習慣的に運動を行うことがすすめられています。

一日じゅう家の中にいて、光も浴びず、体もあまり動かさない。そんな日は、夜になっても体が「休む時間だ」と切り替わりにくくなります。午後の眠気を昼寝だけで受け止めようとせず、午前中に少し外へ出る、買い物を歩きに変える、といった方向から手をつける方法もあります。

歩きながら頭も使う工夫については、デュアルタスクとは?歩きながら頭を使う習慣の始め方にまとめています。

まとめ

  • 昼寝の目安は、午後の早い時間に15〜30分。長くても30分まで
  • 長い昼寝が習慣になっている場合は、避けて活動的に過ごすことがすすめられています
  • 高齢世代は、床上時間が8時間以上にならないことがひとつの目安とされています
  • 椅子で、タイマーをかけて、明るさは落としすぎない。この3つで短く切り上げられます
  • 日中の光と運動が、昼夜のメリハリを支えます

昼寝は、我慢するものでも、たっぷり取るものでもありません。短く借りて、その日のうちに返す。それくらいの距離感が、ちょうどよさそうです。

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参考にした情報

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